SST(ソーシャルスキルトレーニング)とは?方法と具体例、発達障害の子どもに有効な理由も解説

「ルールのある遊びが苦手」

「自分の気持ちを言葉にするのが難しい」

「相手の気持ちをくみ取れない」

こんなお困りごとから、お子さんがお友達とうまく関われていないことに悩んでいませんか?

そんなお子さんに有効なのがSST(ソーシャルスキルトレーニング)です。SSTは、子どもがコミュニケーションスキルを身につけ、より良い社会生活を送れるようになることを目的とした支援で、多くの療育現場で行われています。

今回は、SSTについてわかりやすく解説し、教材や具体例もご紹介します。ご家庭でできることも多いのでぜひ参考にしてみてください!

目次

SSTとは

様子

SSTとは、対人関係で困りごとがあるお子さんが人との関わり方を学び、社会生活をスムーズに送るための支援です。「ソーシャルスキルトレーニング(Social Skills Training)」の略であるSSTでは、コミュニケーションを円滑に行うために必要となる考え方や行動を身につけ、その子がより良い社会生活を送れるようになることを目指します。

「挨拶をする」「順番を待つ」「相手の嫌なことはしない」など、私たちが良好な対人関係を築くためには、実は多くの”暗黙のルール”が存在します。これらは教えてもらってできるようになるのではなく、経験を通して自然に身についていくことがほとんどです。しかし、発達障害のお子さんは、ルールを経験から理解し身につけることが難しいという特徴があります。

たとえば、

「遊びに入りたいとき、どう声をかければいいの?」

「嫌なことをされたとき、どう伝えればいい?」

「負けたときの気持ちをどう整理すればいいの?」

こうした場面で戸惑ったり、ふさわしくない方法で気持ちを表現してしまったりするお子さんは少なくありません。

SSTでは、実際の生活場面を取り上げながら、「このときはどうする?」「このときお友達はどんな気持ちかな?」といった形で具体的に練習していきます。

SSTの目的

教材

SSTの目的は、単に決まった行動を教えて身につけさせることではありません。人との関わりの中で必要となる力を一つひとつ身につけ、お子さん自身が安心して社会生活を送れるようになることを目指しています。

また、「相手の気持ちを想像する力を育てること」「その場の状況に応じた行動を選べるようになること」「自分の気持ちを適切な方法で伝えられるようになること」もSSTの目指すところです。これらは全て、対人関係を築くうえで欠かせないスキルです。

SSTを通じて、お子さんは「人と関わることは楽しい」「自分の気持ちはこう伝えればいいんだ」と思えるようになるでしょう。トレーニングや普段の関わりの中での成功体験が、自信や意欲につながっていくのです。

SSTは、社会性を一律に身につけさせるための訓練ではありません。困りごとや、得意・不得意は子どもによって異なります。だからこそ、その子に合ったスキルをその子のペースで身につけていくことが大切です。

SSTの5つのステップ

ここでは、SSTの5つのステップを順番に解説します。それぞれのステップのポイントを押さえながら見ていきましょう。

ステップ1:教示

まず教示で、どんなスキルを身につけるための練習なのかを明確にします。なぜこのスキルが必要なのかを伝え、子どもの意欲を引き出します。

発達障害の子どもは特に、目的が分からないまま取り組むと戸惑いやすく、学びが定着しにくくなります。そのためSSTでは、最初にねらいを共有し、子どもに「これから何をするのか」を理解してもらったうえで進めていきます。

言葉での説明が難しい場合には、イラストやカードなどを使いながら伝えます。視覚的な情報を取り入れることで、内容をイメージしやすくなり、安心して取り組むことができるのです。

ステップ2:モデリング

次にモデリングでは、支援者が実際に行動のお手本を見せます。子どもは言葉で説明されるよりも、お手本を見ることで理解が深まります。

良い例と悪い例の両方を示すと、分かりやすいでしょう。

ステップ3:リハーサル

いよいよリハーサルでは、実際にお子さん自身がやってみます。

お手本を見たときは分かったつもりでも、実際にやってみると難しさを感じることもあるでしょう。そのため、SSTでは失敗しても大丈夫な環境や雰囲気を作ることも大切です。

ロールプレイングやゲーム、ワークシートなどを使い、遊びの要素を取り入れながら楽しく取り組めるよう工夫します。

ステップ4:フィードバック

リハーサルの後は必ずフィードバックして、子どもができていたところを褒めましょう。どこがよかったのかを具体的に伝えることで、子どもは自分の行動を振り返りやすくなります。

もしできていない点がある場合も、まず良かった点に目を向け、次につながる伝え方を心がけます。否定的な言い方や、できなかった部分だけに注目する声かけは、子どもの自信ややる気を下げてしまうためNGです。

ステップ5:般化

般化とは、SSTで学んだことを日常生活の中で使えるようにしていくステップです。

実際の場面ではうまくいかないことがあって当然です。「できなかった」で終わらせるのではなく、次回のSSTでその場面を振り返り、もう一度練習してみます。

何度も繰り返し練習することで、少しずつスキルが定着していくのです。

SSTで使う教材

教材

ここではSSTでよく使われる教材をご紹介します。ご家庭で用意できるものもあるので参考にしてみてください。

絵本

絵本は、読み聞かせをしながら子どもと一緒に考えることで、自然と理解を深めることができます。多くの子どもにとって絵本は身近で親しみやすく、「トレーニングをしている」と感じにくい点も大きなメリットです。

”SST 絵本””SST 絵本 おすすめ”などのワードで検索し、お子さんが興味を持ちそうな絵本を一緒に選んでみるのもおすすめです。

場面カード

場面カードは、日常生活のワンシーンを切り取った絵カードです。実際に起こりやすい場面をもとに、行動や気持ちについて考えることができます。

カードを見ながら、「このとき、どうしたらよかったかな?」「どんな気持ちだったと思う?」と問いかけることで、状況に応じた行動を考える力を育てていきます。

感情カード

感情カードは、「うれしい」「かなしい」「くやしい」など、さまざまな気持ちを顔のイラストで表したツールです。

相手の表情から気持ちをくみ取ることが苦手なお子さんにとって、感情カードは気持ちを理解する手助けになります。また、相手の気持ちだけでなく、自分の気持ちを知るためのツールとしても役立ちます。

SSTの具体例

SSTにはさまざまな方法がありますが、共通しているポイントは楽しみながら行うことです。特別な教材が無くてもできるものばかりなので、ぜひご家庭でもお試しください!

ロールプレイング

ロールプレイングは、実際に起こりやすい場面を再現し、役になりきって練習する方法です。見る・聞くだけでなく、体を使って体験することで、行動のイメージがしやすくなります。

たとえば、

・お友達の遊びに入れてほしいとき

・嫌なことをされたときの伝え方

・順番を待つ場面

などを想定し、支援者や他のお子さんと一緒にやり取りを練習します。

実際にやってみることで、「こう言えばよかったんだ」「こうすると相手はこう感じるんだ」といった気づきが生まれ、日常生活に活かしやすくなります。

ゲーム

遊びながら社会的スキルを学べるのが、ゲームのメリットです。ここでは、簡単にできるものを3つご紹介します。

私はだれでしょうゲーム

相手の話を聞く力や、質問の仕方を身につけることを目的としたSSTゲームです。やり取りを楽しみながら、コミュニケーションの基本を学ぶことができます。

【準備するもの】

お題カード(動物・職業・有名なキャラクターなどが書かれたもの)

【ゲームの進め方】

  1. 出題者はお題カードを見てなりきる。
  2. 他の子どもたちは、「あなたは生き物ですか?」「食べ物ですか?」など、はい・いいえで答えられる質問をする。
  3. 出題者は「はい」または「いいえ」だけで答える。
  4. 質問を重ねながらお題を当てる。

「まいっか」どんじゃんけん

勝ち負けのある遊びを通して、気持ちの切り替え方や折り合いのつけ方を学ぶゲームです。勝ち負けがある場面で感情的になりやすいお子さんにとって、「負けても大丈夫」という経験を積むことができます。

【準備するもの】

特に無し

【ゲームの進め方】

  1. どんじゃんけんをする。
  2. 勝った人は1度だけ「やったー!」、負けた人は「まいっか!」「次いこう!」などの言葉を使って気持ちを切り替える。

気持ち当てゲーム

表情や状況から、相手の気持ちを想像する力を育てるSSTゲームです。

【準備するもの】

感情カード

【ゲームの進め方】

  1. 出題者が感情カードを1枚選ぶ。
  2. カードの気持ちに合った表情やしぐさをする。
  3. 他の子どもたちは、出題者がどんな気持ちを表現しているか当てる。

まとめ|甲斐市のSSTなら「あら川プラス竜王教室」へ

あら川プラス竜王教室

SSTとは対人関係で困りごとがあるお子さんが人との関わり方を学び、社会生活をスムーズに送るための支援です。SSTでは、絵本や場面カードなどの教材、またゲームを通して楽しくスキルを身につけていきます。

また、子どもによって困りごとは異なるため、一律の練習を行うのではなく、その子に合ったスキルを、その子のペースで身につけていくことが大切です。

甲斐市の療育施設「あら川プラス竜王教室」では、お子さんの発達や日々の困りごとに関するご相談を随時受付中です。お子さんの支援はもちろん、ママたちの気持ちに寄り添い、安心できる居場所でありたいとも考えていますので、少しでも気になることがあれば、どうぞお気軽に公式LINEか電話080-3389-7680までご連絡ください。

また、インスタグラムでは日々の活動の様子を投稿しています。ぜひご覧ください!

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